Blog いんぱるぱぶれ

おつち

怪我しちゃった

おつち

sam-injury おつち

「おつち」とは「お土」です。春水先生が土に「お」をつけてよんでおられたので、どうして土に「お」がつくのかと、質問しました。当時は土がいかに尊いものであるかを、よく解っていなかったのです。

4年前になります。お盆休みの終わるころ、左膝の古傷をぶり返すように、怪我をしました。南先生に怪我をした旨メールして、3日~4日、続けて遠隔治療をお願いしました。痛みは不思議なほどなかったのですが、体中がロックして、身動きがままなりません。自然のギプス作用が働いているのだと、南先生に教えて頂き、とても納得したのを覚えています。いつもは7分位の道のりを15分かかって、仕事に出かけました。仙骨の調整を始めてから、ぎっくり腰とか、関節通とか、改善作用が出ることは度々ありますが、動けなくなったことは、一度もありません。とにかくヘロヘロでも動けるのです。これはありがたいことでした。

このときも、自然ギプスの体で、雨傘を杖がわりにして、ヘコヘコと住宅街の舗装道路を歩きました。驚いたことに、日ごろは全く気にならないアスファルトのちょっとした凸凹が、ひどく身体にこたえました。そして神社の境内を通ったときでした。土の上を歩くと、なんと脚がほっとしたことでしょう。脚ばかりではなく、全身ほっとして、土ってこんなにありがたいものだったんだと、気が付きました。

春水先生はおっしゃっていました。土がなければ、どこへも歩いていけませんね。種が成長することもできませんねと。当時は「それがどうした?」と言う感じでした。自分が弱くなってみないと、尊いお力に気付けないんだなぁと、この時はしばし、うなだれました。

自然のギプスがほどけ始めた頃、季節は夏から秋になっていました。我が家のぐるりは土なので、草むらで鈴虫が鳴くのが聞こえました。電気を消して、音楽を消して、かそけき鈴の音に耳を澄ますと、わが身の中で、おき火のようにくすぶっていた怒りや攻撃性が、溶けていくのが判りました。

南先生から、怪我と言うのは負の感情が頂点に達したとき、起きるものですよと、教えて頂きました。介護と職場で闘う毎日を過ごした私の心は、怒りと恨みで飽和状態だったのです。(母はすでになく、職場の先輩もとっくに退社していたのに・・・)怪我をした直後、ベッドに腰かけて膝をさすりながら「マリア、マリア」と繰りかえしていたのを思い出します。平和な気持ちを自分の奥底では、求めていたのに、怒りと恨みの感情にしがみついたままだったので、ついに爆発が起こったのでした。

土の中に草が根を伸ばす。鈴虫の卵がかえる。草むらでは静かに「お土」のことほぎが謡われて、私の心と体の怪我は「お土」の歌で癒されていったのでした。

ガブリエルの歌に続いて、お土の歌でした。

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コメント

    • 松本涼
    • 2020年 2月 20日

    種は土の中を地上に向かって歩き、セミは土の中から地上まで歩いていって羽化している。土の中が通路であると考えたことはこれまでなかったです。学ばせてくれて感謝です。

    • 冬のさなか、霜柱が立ったあとの地面がひび割れて、
      土がミルフィーユの皮みたいにめくれますが、
      その土の下で、いろんな営みが進んでいるんでしょうね?
      涼さんの感性こそ、繊細。

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