神社にて
神社の境内に黄色く降りつもったイチョウの葉を、小さな子が歓声をあげながら、両手ですくって舞いあげている。ネクタイのお父さんが保育園へ向かって、子供と手をつないで、イチョウ並木の下を急いでいる。散歩の途中とおぼしきおじいさんが、境内のベンチで一休みしている。社家の横に植えられた山茶花の小枝に、緑色のきれいなオウムを憩わせているお兄さんがいる。暮れかかるケヤキの下のベンチで、オカリナを吹いている人がいる。とっぷり暮れて暗闇に沈むお堂の段々に、身を寄せ合って座り込んでいるティーンエイジャーのカップルがいる。こんな風に神社のご神気は、林立する大樹の下に、人々の心のよりどころを抱いている。
朝な夕なに通りかかるこの神社には、正面出入り口のほか、みっつめの鳥居の横にも出入り口がある。ときどき大木専門の植木屋さんが、クレーン付きトラックで、そこから出入りしたりしているけれど、いつもは車の行き来も、人通りも少なくて、いたって静かな場所だ。私はそこで、不思議な人に出会ったのだ。
ふと見ると、ベージュのスーツを着た大柄な男の人が、くだんの出入り口のところで、くるくると腕を回している。ポケットから小さな手帳を取り出して、しばし眺めると、またくるくると腕を回す。その光景を見たとき「あ、地場調整している」と、直感的に思った。私が歩いてくるのに気が付いたベージュの人は、腕を回すをやめて、持っていた小さな手帳を、腕組みする風にして、わきの下に入れた。だとすると、覗き込んだらいけないと思って、私は素知らぬ顔で、その横を通り過ぎたけれど、なぜだか強い印象を受けた。
ベージュのスーツの人は、栗色の髪をした目の大きな外人風のお兄さんだった。こっちを向いたお兄さんは美男子だったけど、どこの国の人か分からないような美男子ぶりだった。それはどこの国の人にも見えるような不思議な感じだったのだ。あの人は誰だろう?なんであんなことしてたんだろう?ここには何だか秘密がありそうだ。そう、神社がみんなの憩いの場になっている秘密が・・・。私は、しばらく考えていた。
そのあと、地球の磁場や放射能を掃除するために、市井の人々に何気なく紛れ込んで働いているという異星の兄弟たちがいることを知った。もしかしたら、あの神社で出会った人はそうだったんじゃないか?
神社というごく身近なパワースポットが、綺麗に保たれるように、働いている兄弟がいる。なぜなら、人類という店子たちが、地球という大家さんの家を汚し過ぎているから。温暖化に海洋プラ、異常気象による大水、大風、大火災、ミツバチの失踪、真珠貝の大量死、ウィルス、スモッグ、エトセトラ。大家さんは大迷惑して、宇宙の賢い兄弟たちに助けを求めたのだという。掃除に来ている兄弟たちは、とっくの昔に次元上昇して、あの世もこの世も超越した存在だそうだ。
違う星から来た兄弟が神社に流れるエネルギーを清掃するという話は初めて聞きました。
僕は違う星から来た兄弟がいるという実感を抱いたことはありません。
むしろ自分がこの星の人間かどうか疑っているという方が近いです。
ただ、神社で気を清掃している兄弟の行為には共感します。
環境問題は世界、そして宇宙ゴミに至るまで大きく広がってきています。
この兄弟たちのようなことは僕にはとうていできませんが、
時々自宅のそばのゴミ拾いをしています。
プラスチック、缶、しけもくなどゴミの放置がやまない。
はり紙をするよりも拾って分別して回収してもらう方が少しはましかと思うからです。
足もとのできることから始めたいと考えています。
涼さんはきっと、地球外の惑星から地球人の意識を強化するために、転生していらしたんですよ。アタシそう思います。天国とは、地球外の惑星(肉体次元より霊妙なレベルを言い表す言葉)なんだと、読んだことあります。地球はまだまだ原始的レベルの惑星なので、より霊妙なところまで次元上昇させるため、波動の高い魂たちが転生してきている。とくに21世紀になって、世界中で天才的な児童(9歳で大学卒業したベルギーの男の子=心臓病のおじいちゃんのために新しい治療法を開発したいと言っていた等々)が多く生まれているのは、そのためなんだそうです。涼さんが自分はこの星の人間か疑っておられるとしたら、自分の本当の使命に目覚め始めたのでは? 自分の存在の琴線に触れる瞬間て、きっとあるんだと思うわ。