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ルーヴル

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行かないつもりだったのに、ジェラールの「アモールとプシュケ」が、やっぱり観たいなぁと、最終土曜日に、ルーヴル展へと出かけました。着いたとたん、後悔しました。やっぱりアタシ、メジャーな展覧会向きの人間じゃないのよ・・・入場待つこと45分、立ちんぼが苦手な私は貧血気味になり、こりゃヤバイなぁ・・・案の定、入ったとたん入り口付近で意味不明に転倒。「大丈夫ですか?」と、美大生とおぼしき女性の驚いた顔を見たこちらも、足をけとばしませんでしたか?いいえ、との言葉にひと安心。誰かの足につまずいたのかと思ったんだけど、どうも違った、ひとりゴケ。起き上がったところ、警備員の方が胸に手をあてながら「何かありましたら、お申しつけ下さい」と声をかけてくださり、びっくり。だけど皆さんご親切! ありがとうございますと言って会場入り。思わず「はずかしい!」とひと声が出て、自分リセット。膝をけがしなかったのは、守護霊さんのお守りだったか? ふんわりゆっくりコケたのを覚えています。

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照明を落とした会場には、絵が好きな者同士、どこかフレンドリーな礼儀正しさがありました。プシュケはどこかと進んで行くと、おっ? 話題のフラゴナールの「閂」がありました。 女性を手籠めにしようとしているこんな絵を、世の中じゅうで面白がって、なんだか癪に触るなぁと、ヘソをまげていたんですが、実際に見ると、あら不思議、笑いがこみあげてきました。ひょうきんな感じさえして、声を立てて笑いました。二度三度、角度を変えて眺めたけれど、そのつど笑ってしまった。馬鹿にしてじゃありません。愉快だったんです。やっぱり名人芸って面白いんだ💖 

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「アモールとプシュケ」のほか「パオロとフランチェスカ」も来ていた! 有名どころのほかは、適当にいなされてる作品選び・・・ルーヴルには愛がある・・・なんかちょっと馬鹿にされてるような気もしたけど、コレクションの厚みが桁違いなのは身に沁みたし、何百年も前に描かれた実物を見られるのは、ありがたいことでした。

会場ではみんな、ケータイでパシャパシャやってて時代だなぁと。我が家にはバブルのころ、小学館が出版したLOUVREの画集があって、実物を見ながら、あの画集のすごさを再認識。日中の自然光の中で、緻密な色合わせをPC制御で行っていたそう。当時は最先端だったんでしょう、コンピューター使いって。撮影にあたったイタリア人写真家が、小学館LOUVREのためだけに、アトリエを借りたという情熱の仕事ぶり、素晴らしいポジフィルムがあるに違いなく、ミュージアム・ショップで売られている複製画や絵はがきの出来ばえも、正確な色出しとハイクオリティなのが目に見えていました。ショップのレジも順番待ちの長蛇の列、美術館はまるで欲望の坩堝(るつぼ)! 私は実物を見た印象を保ちたくて、カタログは買わない方なので、行列の傍らを通り過ぎて、もう転ばずに家に帰ろうと、のこのこと帰路についたのでした。

今もジェラールの描いたプシュケの肌色の光が目の底で輝いています。しげしげ眺めたのは、プシュケの足もとの下草だったんだけど・・・クローバーとか野イチゴに見えた。ちょっとうちの庭に似てるなぁと、悦に入ったりして。草には薬効があって楽しいですよ。

そんなこんなで、やっぱり「閂」をモチーフに遊んでしまいました。女性を手籠めにするのが笑えるんじゃなくて、こういう誘惑と欲望のシーンをどこかユーモラスに描き出せるのって、おおらかな感性なんだろうなぁ、だから笑っていいんだ。トゲトゲすることないよね。フラゴナールはブーシェに弟子入りして腕を磨いたそうだから、お色気とユーモアのカップリングが得意だったのも当然でした。天才たちの息吹に触れて、我がいんぱるぱぶれな時間も充実中。

これ、隠し扉だよね。ドアっていうより壁だもん。おふざけな二人デシタ。

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ワタクシ、オオヤケニハ「ルーブル」ト、ヒョウキスルノカト、オモッテオリマシタ。チケットミタラ、アラ? チガッタ・・・トイウワケデ、シツレイシテオリマシタ。

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