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陶酔

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カミーユ・サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」の中にアリア「私の心はあなたの言葉に開く」があります。旧約聖書の士師記が題材で、民族の存亡をかけた男女の駆け引きが下敷きにあります。

歌そのものはロマンチックで「私の優しさに応えてください」「私に陶酔を注いでください」と何度も繰り返します。バレエ「瀕死の白鳥」で有名なサン=サーンスの、ゆったりと夢見るような、どこか物憂げなメロディーにハマって、何度も聴いていました。

私の心はあなたの声に開く:Mon coeur s’ouvre à ta voix エリーナ・ガランチャの歌で聞き始めましたが、やっぱり凄いジェシー・ノーマン! サムソンをハメる不敵な女の凄みが腹芸で決まっている。間奏のところで嘲るようなニヒルな笑みを浮かべて、デリラの本性を垣間見せるあたり。なりきり、本物!って感じです。

恋の陶酔・・・頭で考えるのではなく、存在そのもので受け止める時間を生きること。人生にはそんなお宝時間があります。しかし恋の陶酔は長く続かないもの。

サムソンとデリラも悲劇的な最後を遂げます。デリラはだいたい、最初からサムソンをハメることしか念頭にないので、計りごとや力ずくで生きる人々には滅びが来る。これが福音の教えでもあるのでしょう。

それでも恋人たちは、秘めやかに陶酔の時を生きると、夢の時間を描きました。

ちょっと真似して、まず女性像を描いてから、重ねるように愛撫する恋人を描きました。描いている間、私の心は女性性と男性性の間を行ったり来たり。魂レベルでは男と女はひとつ、人は本来、男でも女でもあると信じているので、上手く行ったんじゃないかな? だいぶ試行錯誤しましたが。

愛の部屋

🌕昨日が満月なので、今は満月期、満月水を作って飲んでいます💖

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