ペトリューシュカは夜の部屋にいる
ペトリューシュカは夜の部屋にいる
道化師は夜の住人。彼は異界の声を聴く。夜は異界とつながっていてあなたの潜在意識に呼びかけている。眠りの中で。夢の中で。
眠っている間、あなたは異界からの知恵を学んでいる。それは現世の言葉に翻訳できないから、夢のことは覚えていない。それらの知恵は、あなたの潜在意識の中に蓄えられている。
自分でも知らない内に夜の秘密を抱いていることになる。闇が星たちを宇宙の腕(かいな)に抱いているように。闇はすべてを贈り出す母、星たちは夜空で瞬きながらこの世へ転生する魂たちを待っている。だから瞬く星をみると手を振っているように見えるんだ。
ヴァスラフ様は手記の中で書いている。「私は星を知っている。星は夜空で瞬きながらおいでおいでをしている」と。おいでおいでこっちへおいで。星たちは何を語ろうとしているのか?
ペトルーシュカは夜の部屋にいる。部屋は星でいっぱいだけど、星たちの言葉はペトルーシュカに届かない。彼の胸中は自分を支配している人形使いへの恐れと怒りでいっぱい。大好きなバレーナを恋敵から奪い返せない悩みでいっぱい。
想いは重い。想いに捕らわれているときは、自分の中に充満したこの重みを消し去ることができない。これが想念の怖いところ。負のエネルギーが負のエネルギーを読んで、ペトルーシュカは恋敵の刃に倒れる。夕暮れの縁日のさなか、動かなくなった彼の姿に、縁日のお客たちは目をみはる。これは人形ではなかったのか?もしかして殺人なのかと?
ここがペトルーシュカの不可解なところで、殺人事件みたいに切られて倒れて、そのむくろをひろいあげてみれば、やっぱり人形・・・と思わせておきながら、またもやどんでん返し。
プーシキンの主人公、野心家のヘルマンが最後の大賭けを打って一の札で自分の勝利を確信したとき、一の札がじつはスペードの女王であり、女王の顔が殺した老伯爵夫人になっているのを見て、恐怖のあまり発狂したように、弱肉強食が反転して強肉弱食になる不可思議が展開する。人形使いは粗末に扱ってきたペトルーシュカに震撼させられるのだ。
縁日の広場が夕闇に沈む中、人形使いはペトルーシュカのむくろを引きずって人形小屋に帰ってくる。やれやれ今日も終わり、このしじまを襲ってペトルーシュカが現れる。人形小屋の屋根の上に。人形使いはわが目を疑い手元の人形を見るけれど、あな恐ろしやと打ち捨てて逃げていく。
ペトルーシュカが夜の部屋で、人形使いの肖像に胸を叩いて抗議した姿そのままに、彼は屋根の上、夜の闇から世界を嘲笑う。自分を見捨てたこの世に報復する。俺様はここでござい!人形魂は高笑い。それからだらりと屋根の上から垂れ下がり、絞首刑人のむくろのようにぶらぶらと揺れ続け、揺れ続けて夜の闇に消えていく。
道化師は夜の住人。異界の声を聞く人だから。ペトルーシュカは夜の部屋にいる。星たちは地上へ手を振りながら、ささやいている。おいでおいでこっちへおいで。ここに神がおられると。
ペトルーシュカとヴァスラフ様のことを考えていたら、ひと月経ってしまった。信じられない。

情念の囚われ人は、幸せになれない。私は絶望して死病にかかり鬱になりビランギランに出会ったもんだから、もうこれは持論です。バレエ鑑賞などして何やら横道にそれていたひと月半と思いきや、潜在的なものとその癒しの道は続くのデシタ。
想いが重いままでは駄目なのよね。人に尽くせるようになる。波動が高くなるとそうなるって、南先生が教えてくれたもん。ああ、人神イエスが人々に尽くしたお姿が、お手本なのです。想いを愛に変えなくちゃ、学びましよう。
動画詳細:ボリショイ・バレエ:火の鳥の帰還DVDより「ペトルーシュカの部屋」
音楽:イゴール・ストラビンスキー 振付:ミハイル・フォーキン
舞台美術と衣装デザイン:アレクサンドル・ベノワのオリジナルスケッチを基に復元
撮影監督:マリア・ソロヴィオワ ボグダン・ヴェジビツキー ボリス・ミハイロフ
ペトルーシュカ:アンドリス・リエパ バレリーナ:タチアナ・ベレツカヤ
マジシャン:セルゲイ・ペトゥホフ



















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