銀の紐
赤ちゃんが生まれてから、だいたい一年くらいの間、頭蓋骨のてっぺんが塞がらないままになっている。泉門とか 顋門 (ひよめき)と呼ばれるところだ。これから生きていくための知恵を、霊界から注ぎ込んでもらうために、ひよめきは霊界と銀の紐でつながっているという。
みっつめの夢は(夢と言うより不思議体験かな?)頭のてっぺんからやってきた。かなり精神的に参っていた私は「おばあちゃん、どうしたらいーい?」状態だった。それを叱咤激励するために、祖母は一計を案じた。明け方の目覚めの際をねらって、私の頭のてっぺんに銀の紐をつないだのだ。半覚醒の中で火花がチリチリと散るような感覚が来て、コンセントがブスリと差し込まれたような感じがした。すると、とてもはっきりした声が「しっかり、しなさい!」と、言った。まごうことなき祖母の声だった。そうかアタシ、しっかりしてなかったんだ。しっかり者で通っていたのになぁ。なんだか笑いがこみあげてきた。
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