覚悟
一刻も早く、ザムザ状態から逃れたかった。 けれども長丁場になるだろうと、うすうす感じていた。アトピー罹患者の闘病記を、いくつか読む機会があった。どの人も軽い手荒れから始まって、まじめに皮膚科に通って、ステロイド治療を続けて、10年かかって全身に広がっているというパターンだった。自分は皮膚科に通わないで、10年くらいかかって、仙骨の調整で、このザムザから生還するだろう、予感がした。グレゴールは虫のまま死んでしまったけれど、私は必ず人間に戻ってみせる。それには、皮下の薬剤が抜け切るまで耐えることだと、覚悟した。
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