梅幻想
梅幻想
梅ブーケをお捧げしたのは、両手のない聖母像。マリア様、どうして腕がないのかと言えば、建て替え工事の際、折れてどこかに埋まってしまったと、前にシスターから伺った。その時、どうしたらいいでしょうねと、シスターに聞かれて、返事に困ったのを覚えている。その後、コンクリートで作品を作っている造形作家の人に出会ったけれど、両手を作ってもらう話は切り出せないままになった。どうしてそんな荒っぽい工事だったのか? それでもマリア様は明るい笑顔をなさって、今日もお庭に立っておられる。
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梅を屋内に飾るの、気に入ったから、もっと大きな枝を切って来ようと思って、午前10時、庭へ出る。こんな時間、庭へ出るなんて、何年ぶりだろう? まことのガーデナーは4時に起きるの言葉を信じて、夜明け前に活動していたし、この時間は仕事場にいる生活だったから、真昼の庭で咲く梅を見るのは、本当に久しぶり。
長い枝切狭を取り出して、庭へ出てみたら、梅の花にミツバチが来ている!
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ホタルではありません。ミツバチ・オマージュであります
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それもニホンミツバチだ。小ぶりで黒っぽいからすぐ判った。ミツバチが世界中でいなくなったニュースを聞いてから既に久しい。これは「おかえりなさい」だ。花枝を切るのは中止。いさぎよく止める。どこかのオリンピックもそうすればいいのに…なんて話は置いといて、ミツバチが採蜜にきているのをしばし眺める。あの静かな羽音。ああ、本当にミツバチが戻って来たんだ。ありがとう!
祖母が亡くなった年、沙羅の花にマルハナキバチが来ていた。あの羽音、思い出すなぁ。ミツバチのささやき、静かな羽音、世界に心の平和が戻りますように。Maria!
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