細胞の声を聞く
私は皮膚科へ行かなかった。なぜなら、 皮膚科へ行っても治らないと解っていたから。子供頃、軽い手荒れを起こしたことがあったのだ。親に連れられて、皮膚科へ行った。ステロイドを塗って包帯を巻いて、しばらく置く。皮膚はきれいになる。けれどもしばらくすると、また同じように荒れる。肌荒れの原因は水道水だというから、きりもない。そのくりかえしをやっているうちに、左手に20個くらいイボが出てきた。今度は大学病院の皮膚科へ連れて行かれた。液体窒素で毎週イボを焼き続ける。一向に減らない。まるでイボたたきゲームだ。結局、ハトムギ茶を飲んだら治ったのだ。親がハトムギで治ったと大学病院のセンセに話しているのを見ていたら、センセはすごく不愉快そうな顔をしていた。なーんだ、センセは自分のお手柄を、ハトムギにとられて怒ってるんだ。世の中ってこうなんだと、幼心に思ったものである。今、私には事の次第が解る。あのたくさんのイボは、体内に蓄積されたステロイド剤を吐き出していたのだ。そう合点がいくのは、仙骨の調整を続けてきたからだ。 かれこれ30年以上になる。自分の人生でこんなに長らくつづけていることは、ほかにない。 仙骨の調整とは細胞の声に耳をかたむけることだから、自分の身体に何が起きているのか、直観できるようになるのだった。
この記事へのコメントはありません。