Blog いんぱるぱぶれ

ひよこ天使が来た

ひよこ天使

ひよこ天使が来た

彼は卵の料理人 ひよこ天使が来た 彼女は卵を持っている

彼は卵の料理人。したり顔で考えているのは、彼女の持っている卵を料理すること。そこで時間が止まったまま、4半世紀が経った。

3年経ったら夢を見よう、なんて流行り歌があったけど、ファン・アートで絵を描くリハビリを進めること3年目。そろそろ止まった時間を取り戻せるかなぁ。と、思っていたら先日、ひよこ天使が来た。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

時は夕暮れ、フレンチ・カフェの2階は灯の消えたパーティー会場の一角、ひとり椅子に腰かけて、シェフに作ってもらった一皿を食べる。ああ、そうだ、作ってもらった料理を食べるのは、ずいぶん久しぶり。なんだか子供の頃にもどったよう。なんの恐れも疑いもなく、食卓に並んだ料理を食べていた。そんな日があったのだなぁ。夕闇迫る中、通りがかったシニア・パティシエに「おやおや、こんな暗い中で」と、驚かれながら、スプーンで料理を口に運んでいた。

と、その時、ひよこ天使がやってきたのだ。彼女は彼(卵の料理人)との話の顛末を知らせに来て、あ、そうか…そうだったのかと、私が思っているうちに消えてしまった。ははぁ、そうか。この半年、飲食業に従事していたのは、この瞬間のためだったか・・・フレンチ・カフェの灯の消えた2階、薄闇の中、食べ終わりの皿をスプーンでカシュカシュ、それからパンできれいに拭いて、日常からちょっと逸脱した時間を過ごした。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

人が料理を食べるとき、作った人の愛情も一緒に頂くのでエネルギーアップにつながるんですよと、春水先生から伺った・・・そう、この2週間ほど、食べることについて考えていた。食べなきゃ!という欲求は、すでにオブセッションなんじゃないか? そんな理屈に走りそうになっていたけど、ブレーキ! 理屈じゃない。私が生きるべきなのは、もっと活き活きした日常、愛の世界だ。

今やフルタリアンになった私は、果物の種やヘタを取る以外、あまり包丁を握らなくなった。だけど思い出したよ。料理を作るって、愛の表現のひとつだったんだと。作るのも食べるのも大好きだった。以前のように作らなくなったし、食べなくなったけど、愛を忘れたわけじゃない。シェフとひよこ天使の顛末を知らされたんだから、始めなければ。

ひよこ天使がやってきた

関連記事一覧

  1. valentine-day
  2. 髪長姫
  3. 朝顔
  4. 白の守護天使
  5. 赤ずきん

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2021年10月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ

コメント

最近の記事

  1. 闇を聴く

    2024.03.27

    闇を聴く
  2. 前世の修復

    2024.03.5

    前世の修復
  3. トルマリン湯

    2024.02.24

    トルマリン湯
  4. ハイゴ
  5. 愛と調和
Banner

歩き回る植物

PAGE TOP