はじめに

はじめに

なぜ描くのか?

私がこの世に生まれた意味とは?

私はこの世に生まれたことを後悔して、引き返したいと思った。そう、もう一度肉体のない状態、魂のままでいられる天界へ戻りたいと思ったのだ。引き返す手段として、死病にかかったけれど、小児病棟最後の生き残りとなり、教授の学会に症例として引っ張り出されたりして、思惑は見事に裏切られてしまった。死に至る病とは絶望であると、キェルケゴール先生がおっしゃるとおり、わずか二歳で、この世に絶望したけれど、生まれた以上この世にいる内に、クリアしなければならない課題がある、というのが本当らしいので、中途棄権は却下されてしかり。そういうことが解ったのは、三十路をすぎてからだった。( どうしてあの世へ戻りたかったのか?ブログに書く予定 )

なので、10代、20代のころは喉から手が出るほど、答えが欲しかった。自分はどうして生まれてきたのか? そして何をするべきなのか? 生きる意味がはっきりしたら、どんなにいいだろう。しかし何事も判然とせにまま、時が過ぎゆく焦燥よ。これぞ若気の至りなんだけど、ある時ふと「あ、これは答えを解く鍵?」というような事態を見つけたりするのが、 画文の世界だった。芸術の中には、秘密の扉を開ける鍵が隠されている。

夢の中で、扉を開けるとまた扉があり、それを開けるとまた扉があり、扉があり、扉があり、扉があり、これが最後の扉だと思うや否や目が覚めて、ああ、またもやチャンスを逃してしまったと、蕭然とする。

天使は飛び立つ

ところがある日、なぜか扉が開いているのを見つけたりする。私は向こう側に、きちんと繋がっている。そうか、こういうことだったのか。なんて理解が進む時もあるので、私は今日も描いている。

少女のころから、私は妖しの美女を描くのがうまかった。謎めいた美女を通して向こう側の世界へ、美から謎を解く、仕組みやエッセンスを見つける。そんな不思議な時間を生きるなら、絶望は喜びに変わるに違いなく、希望は神に、真理に、喜びに通じているはずだ。

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