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涙の谷 その2―乳房の瞑想

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涙の谷2 涙の谷 その2

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乳房の瞑想

涙の谷・・・慈悲の美しい象徴。女性の乳房が美しいのは、この世に生まれてきた命を育む母性のエネルギーを秘めているから。そして乳房は、肉体から精神への扉でもある。

座禅にチャレンジした時、夜の闇に沈む道場で座り続けているうちに「身体がある」という感覚が消えて、自分が虚空にぽっかり浮かんでいる体験をした。あれが意識であり、全てを取り去っても消えない自分。自分てやっぱり肉体じゃなくて魂なんだという認識、なかなか貴重な体験だったんだけど、神の語る声はあまりに小さいと言われる現代、まったく儚くも、日常のよしなしごとに埋もれてしまう「魂」という認識。

しかし魂ばかりを重視するのも偏っていることなんだと、判ってきたこの頃なので、肉体を通して精神性へという道を辿るのに、涙の谷=乳房に意識を向けてみる。御霊(みたま)とは身と魂であり、身と魂は分かちがたく身魂(みたま)だと、つねに意識しないと、つい抜けてしまう。体と魂は別物だと長らく思い込んで生きてきたから。

乳房の瞑想を知ったのは、水晶に興味を持っていたころ、シバ神が奥さんに教えた瞑想というのを読んでからだった。乳房に溢れなさいというのが導きなんだけど、女性は乳房がポジティブで下がネガ、男性はその反対なので、男女ともにポジの方に意識を向けて、瞑想するのがこの世の至福に通じるということだった。

瞑想というと、何だか特別な感じがするけれど、座って、口をつぐんで、目をつぶる。これをまず5分、毎日、時間を決めてやってみると、感じがつかめる。何もしないで5分間座っている。日常の中でこういう状況って、あえて作らないとないよなぁと気が付く。要するに心静かに座って自分(内面)に集中すればいいんだけど、その時何か対象があると集中しやすい。私は水晶の結晶面をじっと見つめたり、目をつぶって石の冷たい感触から、その内部へ入るようにイメージしたりして、心を静める感覚をつかんだ。

座禅に行ったとき、和尚さんから、ひとーつ、ふたーつと、数を数えなさいと教えられたけど、数字に集中しすぎてちっとも助けにならなかったから、人それぞれ自分の方法を見つけるのが一番だ。その意味で身体感覚に集中する瞑想は、とてもやりやすいと、やってみて判った。

乳房の瞑想は、衣服の上からでも、乳房にじかに触れる形でもいい。手のひらの真ん中を乳頭に当てて、手のひらの温かみに集中する。人肌の温かみ、これは癒しへの第一歩、乳房が温かい手のひらに包まれると、ほっとリラックスする。そのまま温かみに集中していると、自分がどんどん緩んでいく。緩んでいくこと、温かみに身をゆだねることを自分に許す。日常の中では自分に禁止していることが山ほどあるから、それらをほどいていく感じ。

soft-touch

温かみを感じる手のひらは、もちろん愛している人のものでもいい。温かみはThe power of loveなのがよく解かる。温かみを感じている乳房は自分。幸せな温かさ、この優しさが自分からあふれ出ていく。床や壁をたどって、天井に部屋に満ちていく。部屋からあふれて外へ、あの空へ広がって行く。広がって行く温かさは私だ。その広がりに身を任せる。そのまま、そのまま、身を任せる。

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